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兵庫県の高等学校生物教員です
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第44回例会 実施しました ~疾病遺伝子の探索~ 
長浜バイオ大学の上原啓史先生にご指導いただきながら、実際にKEGG DESEASE や OMIM といったデータベースにアクセスして、具体的な疾病の遺伝子探索をおこないました。

管理人を含め、リアル3人、リモ-ト4人の7人のになりました。

今の時代、研究が「白衣を着た人」だけでおこなわれているのではなく、「生命科学への興味と知識をもった情報科学の人材」が欠かせないこと、生命科学にそちら側からも関わっていけるんだということを知って欲しい、という先生のお話。
前回のストライガに続いてまた、「学びの行く先のひろがりや結びつき」の話題でもあり、私たちは授業や科目選択や進路指導の場面で、生徒たちにそういうことを伝えられているだろうか、と、会がお開きになったあと、リアル組で話しました。

iPS細胞を生み出したときに、山中さんが理研のデータベースを使ってES細胞ではたらく遺伝子から候補を絞っていった話は有名ですが、時を経て、いま、もう、膨大なデータが日々積み上がって、整理されて、互いにリンクしあって、ものッすごいことになっているらしい、と、まずはその驚きからの出発です。
例えば、タンパク質のリボンモデルのサムネイルがだーっと並んで出るのですが、「構造解析がこんなにたくさんされているのか」という声が出たり、調べた遺伝子の染色体上の位置が表示されるのを確認して、「ヒトゲノムマップ」と騒いだけど、もう、どの遺伝子もこんな風にマップに落としてあるってことか、と驚きの声が出たり。さらには、終止コドンの出現やアミノ酸の置換など、起こりうる変異とその効果は、AIによって可能性をリストアップしてあるものだ、と聞いて、またびっくり。

手順に沿って情報を得ていく、ついつい寄り道や脱線してしまうのですが、まずは素直に教えていただいたルートでたどってみることが大事だと、リモートの先生方の発表を聞きながら感じました。もういちど落ち着いて、上原先生のワークシートに沿って、探索し、記録したい、と思いました。
そして、自分が見ている画面上の情報が何を意味しているのか、それを知るためには、テキスト部分をちゃんと読む、ということも必要です。そのときには、近年どんどん向上したブラウザの翻訳機能はかなりありがたい存在です。

「病因遺伝子」「病気の遺伝子」ということばは、「病気を起こす怖い遺伝子」という印象を持たせてしまう。でも、そうではなくて、「病気の原因に関係する遺伝子」であって、本来その遺伝子は何らかの生命現象に関わるタンパク質を作り出す遺伝子、ちゃんと大事な仕事をしている遺伝子なのだ、ということ。…そういえば、BSEでプリオンが話題になったときに、タンパク質について似たような話をしていたことを思いだしました。
BRCA1は「乳がんの遺伝子」ではなくて「DNAの修復に関わるタンパク質の遺伝子」なのか、というように、そのことを、探索を通して、なるほどそうか、はあーなるほどね、と、繰り返し確かめていくうちに、「アタマで知っていたはずのこと」が具体的なヒトの病気という「現実」や「生身」に近いところにやってきて、妙な「実感」になってきます。遺伝子がはたらいて生きている、ということを自分の身体でなぞるような。
「病気」と「遺伝子」についての見方が変わった気がする、との声が出ていましたが、そういう「内面の変化」「理解のしかたの変化」は、体験を通してこそ得られるものと感じました。

私自身、病気について調べる、というと、会でも紹介があったようなメルクマニュアルや○○百科のようなサイトで原因や症状をみていく、というのが(特に子育てや親の介護に関わっていると)普通にやるようなことでしたから、遺伝子やタンパク質の構造や機能とあんなにダイレクトに結びつけながらの説明に触れる場が、あんなに整理された形で、すぐに手に入るところにあった、ということに、驚きつつ、思い切り引き込まれました。

ただ、「病気」というのはデリケートな側面を持っていて、「身近な病気」というのが、私的な悲しいことや怖いことと結びついていることもあり、あるいは、悲観的な捉え方をしてしまうケースもあるだろう、というのも、とても大事な指摘でした。上原先生が最後に生徒感想を見せてくださいましたが、やはり、そのことも頭に置いて、丁寧な授業を心がけることが不可欠だと感じました。

いずれ、人生の中で、遺伝子が関わる病について、何かを選択しなければならない場面があるかも知れません。すでに、検査はできる(お金を出せば)時代にもなっています。自分のこととして差し迫っていない段階で、”遺伝子を調べて「ある病気へのなりやすさ」「発症する可能性」を知る” というのは、いったい何をやっているのか、その一端に触れてみる機会があることは、これからを生きる人にとって意味のあることだろうと感じます。

実習中、リアル組がワイワイ言いながらやっているのをそのままミュートをせずに垂れ流していたので、リモートの方はうるさかったと思います。すみません。
リアル組の方からは、誰かの言い出したことでいろいろ分かっていくのが面白かったので、生徒たちも、ひとりで黙々と探索するだけではなくて、グループでワイワイ言いながら探索してみるのもいいかもしれない、授業、というより、「こういうことをするからやってみたい生徒は寄っておいで」という募集のかけ方で、物理、生物の選択にかかわらず、集まった生徒たちとやってみる、手始めにそんなことからできるんじゃないか、というアイデアがでていました。

KEGG DESEASE と KEGG DRUG は、日本語のサイトがあります。私は今回の会を準備する中で初めて知ったのですが、KEGGお薬手帳というのもあるのですね。研究用のデータベースを一般の人にどんな小窓で開くか、という工夫。作り手の側の姿勢が伝わるように感じます。

上原先生、貴重な機会をくださり、ありがとうございました。
また、参加者のみなさんのいろいろな気づきやご指摘があって、プリントを見ながらひとりでやってみているだけではとても得られない学びがありました。みなさん、ありがとうございました。



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実施しました~報告 | 23:46:53 | コメント(0)
第44回例会 エントリー状況
金曜イヴラボ 第44回 例会 
2021年3月26日(金) 18:00~20:30
KOBEらぼ♪Polka実験室  

テーマ:データベース「KEGG DISEASE」「OMIM」で
 疾病遺伝子の探索をしよう
--ヒトゲノムの多様性について考える--
~長浜バイオ大学 上原 啓史 博士 とともに~

リアル参加3名(兵庫県) リモート参加4名(愛知県2名 沖縄県・福岡県 各1名)の予定です。

18:00~18:50 上原さんより意図や流れの説明・実習ガイダンス
18:50~19:40 遺伝子探索の実習
19:40~20:30 意見交換

参加者のみなさんとの意見交換がとっても楽しみです。


エントリー状況・諸連絡 | 08:13:07 | コメント(0)
ゲノム編集技術の社会実装と学校教育
まずは、再度のご案内です。
金曜イヴラボ 第44回 例会 
2021年3月26日(金) 18:00~20:30
KOBEらぼ♪Polka実験室  
申込み受付中!リアル参加大歓迎! zoomリモート参加もできます。

テーマ:データベース「KEGG DISEASE」「OMIM」で
 疾病遺伝子の探索をしよう
--ヒトゲノムの多様性について考える--
~長浜バイオ大学 上原 啓史 博士 とともに~

エントリー締切: 2021年3月24日(水) (厳守でお願いいたします)
詳しくはこちらをご覧ください!



さて、ここからが本記事の本題です。
「くらしとバイオプラザ21」(HPはこちら)は、2002年に設立された、東京の特定非営利活動法人です。
「バイオテクノロジーとうまく付き合いながら、豊かなくらしを選んでいくために、バイオとくらしをつなげて考えることが必要である」との考えから、科学的で分かりやすく、生活者の視点からバランスの取れた情報発信を行ない、一般の人々とのコミュニケーションの場を提供するなどにより、社会全体の理解を深め、バイオテクノロジーの健全な発展を図る、という活動に、継続して取り組んでおられます。

今回、「くらしとバイオプラザ21」の事務局長 田中 利一 さん、常務理事 佐々 義子 さんが KOBEらぼ♪Polka 実験室にお越しくださり、「学校教育におけるゲノム編集技術の扱いに関する意見交換会」 を 実施しました。
参加者は、管理人を含め、県内の高校生物教員(2名)と家庭科教員(2名)の4名です。

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「くらしとバイオプラザ21」では、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)次世代農林水産業創造技術」で実施する課題「新たな育種体系の確立」の一環として「NBT : 新しい育種技術 -ゲノム編集への期待-」というサイトも運営しています。

そういったなかで、このたびは「ゲノム編集技術の社会実装」が進んでいくにあたって「学校教育におけるゲノム編集技術の位置づけ、扱い方について」どのようなことが考えられるか、という内容で話をする機会をもつことになりました。佐々さんと打ち合わせする中で、これは、生物の教員だけでなく、家庭科の教員もいっしょに話をした方が、実りの多い会になる、と考え、家庭科の先生もいっしょにどうでしょうか、とご提案しました。

3月10日に実際に佐々さん、田中さんと面会して打ち合わせを行いました。
その上で迎えた、今日の意見交換会。参加者の関心や理解に合わせて、とても丁寧な準備をしていただけました。

会の前半は、佐々さんから、現状の解説をいただきました。
そもそも「育種とは」からはじまり、届出受理の第1号となったGABA高蓄積トマト(栽培モニターの話も)をはじめ、ゲノム編集作物の作出方法や届出の実状、表示や規制の方針、そして、市民が考える機会として「ステークホルダー会議」の手法を使った取り組みの紹介、さらには、2011年以降の取り組み経過、遺伝子組換え作物との比較など、分かりやすく説明していただけました。
その後、質問や意見交換の時間をたっぷり、1時間半ほど、取ることができました。

家庭科の教員から、教科書や資料集などでの扱い(実物をたくさんご持参いただけました)や、授業のどのような場面で触れて行くことができるか、など、「家庭基礎」での現状や展望の紹介があり、特に、資料集ではかなり整理された形での掲載があって、生物教員が驚く、といった場面も見られました。
一方、「生物」の教科書には、現状を正しく伝えているとは言い難い文面や否定的なイメージを持たせるような記述も見られる、との指摘、「生物基礎」では「変異」自体が「発展」の内容であるため、「発展」を扱わない学校も多々ある中、実はfor all の段階で「遺伝子の変異」について正しく学ぶ機会を持てていない、という指摘もあり、個々の教員や教科担当者の方針によって、学ぶ機会やどこまで、どのように学ぶかには、大きな差が生じている現状が見えます。
そのような状況を考えると、for all の学びのチャンスとして、家庭科での扱いは大きな意味を持つ、ということが分かってきました。
さらに、この話題について、理科と家庭科との連携の可能性を探っていけるかも、と具体的なアイデアも出て、異なる教科の教員が教科ごとに扱いの違う同じテーマで席を合わせて話をすることの意義を強く感じる時間になりました。

「くらしとバイオプラザ21」では、コミュニケーションの場を作る、という取り組みをしておられるので、グループワークなどで、答がひとつとは限らない問題について自分たちで考える、といった授業の手がかりになることがたくさんあり、また、科学的な説明ができるスライド教材なども提供しておられるので、現場の教員にとって、たくさんのヒントや指針をいただけた会でした。
また、「くらしとバイオプラザ21」としても、いままで、理科の先生たちとの接点はたくさんあったけれども、家庭科とのつながりを長年持てていなかった、ということでしたので、今回のつながりが、新たな一歩となればと、思います。

充実した有意義な時間でした。
ご参加くださった先生方、遠路お越しくださった佐々さん、田中さん、ほんとうにありがとうございました。
管理人としても、今回得たものを、また、生物の先生方とも共有していけるような場を考えていきたいと思います。

どうぞ、お楽しみに!



実施しました~報告 | 23:01:41 | コメント(0)
第44回 例会のお知らせ
金曜イヴラボ 第44回 例会 

2021年3月26日(金) 18:00~20:30
KOBEらぼ♪Polka実験室  
※新年度分掌が分かるまで動きを決めづらい日程で、すみません。お申込後に状況に応じてリモート参加に切替えもできるように準備しています! また、zoomリモート参加も受け付けます!

テーマ:データベース「KEGG DISEASE」「OMIM」で
 疾病遺伝子の探索をしよう
--ヒトゲノムの多様性について考える--
~長浜バイオ大学 上原 啓史 博士 とともに~

今年も3月はICT系の企画、というわけで、今回は、疾病遺伝子のデータベースを使った遺伝子探索を、高等学校の授業にも乗っけてみよう! その前にまずは、教員も遺伝子探索をやってみよう、という内容です。
長浜バイオ大学の 上原 啓史 さん が指導に入ってくださいます!!
使うデータベースは、「KEGG DISEASE」と「OMIM」です。
 
KEGG (Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)は、1995年に京都大学化学研究所の金久研究室で発足したプロジェクトで、国際的に利用されているデータベースです。実は、EveLaboでは、2年前の「代謝パスウェイマップ」例会で、KEGG PATHWAY も利用しようとして、結局、ロシュ社の代謝マップに落ち着いた、という経緯がありました。
今回は、KEGGの中の疾病に関するデータベース「KEGG DISEASE」を使います。
さらに、もうひとつの、OMIM (Online Mendelian Inheritance in Man)は、ジョンズ・ホプキンス大学のビクトル・マキュージック博士が中心となって記述、編集を行っている、ヒトの遺伝性疾患に関するデータベースです。

今回、長浜バイオ大学アドミッションオフィス 高大連携担当・学生教育推進機構事務室 国際担当の、上原 啓史 さんが、高大連携の一環として取り組んでおられる授業内容(こちらをご覧ください)を、直接、上原さんからご紹介いただけることになりました!
オープンキャンパスや学校説明会など、出張やイベントでご多忙な中、リモートでEveLabo例会に入ってくださいます。
上原さんが実際に高等学校で特別授業として実施しておられるものですので、データベースを利用した授業の展開例として、参考になるアイデアがたくさん含まれています。
データベースの活用経験のある方も、なるほど、こんな風に授業に乗せていくのか、こんなことを考えさせることができるのか、といった、発見があると思います。

膨大なデータベースの海をウロウロと検索していると、訳が分からなくなりますが、道案内があれば、グンと分かりやすくなり、自分でもいろいろ調べたくなってきます。そして、授業でも使ってみたくなってきます。
教えていただきながら自分でやってみることができる、道案内をしていただけるチャンスです。
ぜひ、ご参加ください。



お申し込み方法

申込みは必ず実名で、ニックネームは不可です。

エントリー締切: 2021年3月24日(水) (厳守でお願いいたします)

「メールフォーム」(←ココをクリック)からお申し込みください。
必要事項をご記入の上、送信してください。
zoomでリモート参加をご希望の方はメッセージにその旨お書き添えください。
LINE登録していただいた方はLINEメッセージでも申し込めます。
なお、お申込みをいただいた方へはエントリー締切日後に、管理人から申込み受付のメールを差し上げています。




感染予防のためカフェタイムの飲食は行いません。
各自ノートPC と 可能な方は、できる限りご自身のWifiをお持ちください。
参加費 :300円  
いつもの拠点維持費です。ご協力をお願いいたします。

ご参加をお待ちしています。



例会のお知らせ | 20:00:00 | コメント(0)
第43回例会 実施しました ~ストライガ・カードゲーム~ 
やはり、ゲームの教材は、実際にやってみてはじめて、何をどう伝えたいか、あるいは、何を伝えることができるか、そして、そのためにはどうすればよいか、といったことを具体的にイメージして考えていくことができるし、アイデアも出てくる、ということを、改めて実感しました。

名古屋大学 ITbM の「ストライガ・カードゲーム」についてはこちらをご覧ください。

参加者は、リアル5人、リモート5人。それに三宅さん、11名でした。

リアル部屋の方は、スクリーンにプロジェクタでPC画面を大映しして、講義動画や三宅さんのお話のスライドをみんなで見ることができるようにしました。
ゲーム時は、テーブルの上のカードをカメラでPCに映してリアルタイムで画面共有しつつ、手札は各自のスマホでリモートの相手に見せつつ、プレイをする、という方式でやってみました。リモート参加のみなさん方にどれぐらい、ゲームに関わっている感を持っていただけたかは、怪しいところもあるのですが、少なくともはたで見ている感は持っていただけたのではないかと思います。

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ゲーム後の意見交換では、リアル、リモートに関わりなく、率直な感想や疑問、アイデアを出していただけました。

リモートで入ってくださったITbMの三宅さんがゲームの進行に合わせてルールの助言をしてくださいました。
助言があるおかげで、「どうするんだ」という停滞がなく、そのため、停滞そのものに悩むのではなくて、停滞しそうな場面が「もやもやする」「悩むところだ」→「それはなぜだ?」「こうした方が良いのではないか?」と考える場面になり、あとの意見交換に生きてきた、と感じました。

ゲームとして、まだ、開発途上ということもあり、ルールそのものに未熟さのようなものもあって、「勝ち負け」「上がり」のスッキリ加減をどうすればシンプルに分かりやすくしていけるか、についてのアイデアがいくつか出ました。既存のトランプゲームはそのあたりが洗練されているので、すでにあるルールに乗っける方が分かりやすい、という感じは参加者の多くが持ったようでした。

また、それとは別に、そして、これこそが、教員研修で取り上げる大きな意義だと思うのですが、このゲームで伝えたいこと、分かって欲しいことは何で、どのような展開をしていけばそれが伝わったり、分かったりしていくのか、というところに関わる意見がたくさん出ました。

イネ科の作物、菌根菌、ストライガ、ストライガの自殺発芽を誘導する新規の分子、そういった、「登場人物」の力関係を、まずは「豚のしっぽ」と名付けた「運ゲー」でつかむ、ということだったのですが、この方法で「つかむ」ことができたか、というと、対応表をあてはめる、程度のつかみ方しかできていません。
ゲームをスムーズに進めるために「つかむ」ということと、そこにある、生物どうしの分子を介した関わり合い、実際にアフリカの農地で起きていること、ITbMが取り組んでいることとのつながりを「つかむ」ということは別です。
「豚のしっぽ」では、時間をかけた割には後者があまり見えてこなかった印象です。わざわざゲームをしてまで「つかみたい」ことは、後者だし、それが見えてくればカードゲームも分かって進めていけるので、「豚のしっぽ」とはちがうアプローチで「つかんでいく」をしていきたい。
穀物、菌根菌、ストライガ、の3種類だけでまず「寄生されてしまう」ということを把握する。次に、「SPL7」で防除の可能性を加える。さらに、「干ばつ」や「未来分子」を加えて、攪乱の影響やそれに対する新規分子の可能性にまで考えを広げていく、という、理解のステップをゲームの進行に取り入れて展開する、それができるようなカード構成を考える。
細かな具体案もたくさん提案が出てきて、面白かったです。日常的に生徒たちの理解のプロセスに向き合っている教員だからこそ、出てくる内容でした。
研究所がアウトリーチのためのイベントで、一般の人たちにカードゲームを使って関心を持ってもらう、その目的で作られたゲームを、教室、という、別の場に持ち込むときに、同じ方法ではなく、教室でやりたいことに寄せていく、そういうアタマでゲームを見ている、そこが面白いところです。

「SPL7」って、すごい分子なんだな、「未来分子」なんて、考えて作っていくこともできるんだな、と、ゲームを通して感じる、「それはとても強く感じた」という、若手の化学教員の感想には、「それだけでいいの?」という疑問もセットになっていた、と聞こえました。
科学的な理解が希薄な「すごーい」は、科学的な理解が希薄な「こわーい」と、そんなに遠くありません。ゲームを通して新規分子って「こわーい」が、新規分子って「すごーい」に変わったとしても、それはそんなに喜べることではないかもです。
だからこそ、ゲームを含めた取り組みで何を学べるのか、どんなことを分かってもらいたいのか、対象に応じて、そこを大事にした使い方をしなくてはいけない、と感じます。それは当たり前のことだけど、いちいち、ちゃんと考えないと難しいことです。

進路選択の場面の話も出ました。
高校での進路選択は、どうしても、絞って絞って、狭めて狭めて、○○に決める、みたいな方向に行っちゃいがちです。でも、その行く先には、絞った世界が線のようにシューッと伸びているわけではなくて、また、交錯して結び合って、広がっていく。
ストライガの話題に接する体験は、行く先の世界はまた広がっている、ということに触れる機会にもなるかも知れません。
SPL7の研究が、生物学者、化学者、実際にアフリカでの研究を実現させる人、異なる分野、異なるフィールドの人たちが次々につながっていくことで、進んできている、サイエンスアゴラ2020のセッションを聞いたときに、私はそのことにたいそう感激をしました。

今回、リアル参加のメンバーがいてくださったからこそ、リモートの参加者と共に考える時間を作ることが可能になりました。ラボまで足を運んでくださり、ありがとうございました。
また、リモート参加のみなさんが述べてくださった意見がリアル参加者には大きな刺激になりました。いっしょに考えることができて良かったです。ありがとうございました。
そして、スライド等準備をして、こんな夜の時間に入ってくださった三宅さん、お忙しい中、本当にありがとうございました。

リアルがあってのリモート、リモートで活気づくリアル、今回の試み、こんなコトできた!!と、管理人としては、なかなか嬉しかったです。



実施しました~報告 | 23:21:02 | コメント(0)
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