2020-08-29 Sat
本当に、ご参加くださった先生方、ありがとうございました。リアルの会に5名、zoomリモートの会に4名、管理人を合わせて、10名!
久々の再開に集まっていただくことができて、本当に嬉しく、また、ホッとしました。
東京都立大学の立木佑弥助教が、8月13日の都立大リモート講座で紹介されたゲームです。
「Virtual ECOSYSTEM.edu」
東京都立大学発ベンチャー「サイエンスグルーヴ Science Groove」が出しています。
デモ版のサイトはこちらです。
http://edu.ecoepi.jp/#/
今回の会では、
1.全く何も手を加えないで、遷移の進行を見る
・ 陽樹林、極相林の成立、アチーブメント達成のときの植生のようす、時間経過などを、互いに比較してみる
2.アチーブメントの達成を目指す
・ 特に「ヤマザクラ」「イタヤカエデ」のアチーブメントをどのように達成するかの工夫
・ どのような条件を作れば各アチーブメントが達成できるか、考えを出し合う
・ アチーブメント達成の時の植生のようすを互いに比較してみる
3.「多様性Rank:A」の達成を目指す
・ どのような植生が「ランクA」になるか
・ ランクA達成にはどのような介入が必要か
・ 「ランクAを達成するような介入」とは、自然界ではどのようなことがあてはまるか
ゲーム内での「伐採」「種まき」は実際にはどのようなことに相当するのかを考える
4.授業に取り入れるとしたら
上のような流れをざっくりと意識しながら、でも、実際にはわりと自由に、
リアル組は「手洗い」と「マスク」と「換気」と「飲食なし」で、ワイワイと、
zoom組は途中PCや通信の不良にもめげずに短時間で没頭して、
それぞれ、実際にゲームを触ってみて、意見交換しました。
「教材」として、持ち込む側のキーワードの提示や、課題の設定、ファシリテートがあって、
初めて良さが生きてくるゲームだろう、というのが、共通した感じ方であったと思います。
「ランクA出た!」→「どうやってやったん!!?」「どんな森!?」
「イタヤカエデが消える…」「え?ほっといても育ちますよ」「でも、めっちゃゆっくりですよね」→「じゃあ、イタヤカエデの成長を記録してみよう」
こんなやりとりがどんどん出てくる、そういう関わり合いを引き出す力がこのゲームにはある、と、
特に、リアルの方で、それはよく分かりました。
「黙ってやらずに、ずっと何か喋ってやってる人がいる」とか「黙ってやってた人が急に声を上げた」(←声を上げてね、という、最初のガイダンスは大事!)とか、そういうときに、参加者みんなが、それに反応してグループの動き方になってくる。
失礼承知で言うと、個々の動きが作用し合って、魚の群れが全体として形を変えつつ大きく動く、みたいな感じが、場を共有してやっている塊に生じてくるのを肌で感じることができました。
ムリせずにそういう状態が生まれてきたことが、このゲームのいちばん面白いところだ、と感じました。
一方、漠然と使うと、ランクAを目指す(できたかできないか)が目的になって終わってしまいそうだ、とか、
「伐採」「種購入」といった操作そのものと、それにあてた「語(ことば)」のゆえに、正しい理解を妨げたり誤解を招いてしまう危険がある、という、違和感や懸念の声も。
そうすると、「教えずに」「導く」ということがどのようにできるか、我々の側の持って行き方に、相当の工夫や準備が必要、ということになります。(もちろんそれは、どんな教材にも共通することではあるのですけれども。)
リアルの会では、どんな課題を設定できるだろう、と考え、具体的な提案も出てきました。
「全伐採を繰り返してみた」先生からは「一部だけの伐採をするのと、数年ごとに全伐採を繰り返すのと、比べてみる、といった、比較なら、短時間でもできるのではないか」という提案。
また、まず、遷移のところで「遷移の観察」とともに、ゲームに慣れる、次に、攪乱のところで再度使う、多様性の話でまた使う、というように、小分けにして、使うチャンスを作っていくとよさそうだ、という提案も。
タブレット端末が教室にも入ってくるこの秋、ちょっとしたチャレンジができそう、という先生もおられました。
具体的な教材について、実際に手を動かしながら声を出し合うことの面白さを感じることができました。
本当に、ご参加ありがとうございました。
~~~~~~
長い休止の期間があって、久しぶりの会ができて、やっぱり、こういうのが好きなんだよね、と、改めて感じました。どうしたら前向きに使っていけるかな、という思いを共有しつつ、手を動かし、考え、喋り、聞く。
ほんとうに、いいです。
また、続けていきたいと思います。
~~~~~~
(12月 追記)
12月23日(水) 2学期末考査後の45分授業を使って、明石高校で授業実践を行いました。
実験室のwifi環境とひとり1台のタブレットPCの導入で、実施することができるようになりました。
40名が同時にゲームをしても、とりあえず、問題なく動作しました。
実践報告はこちらです。ごらんください。
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